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SandD 育成/開発プログラム『SandD LAB. 2025』

SandD LAB. 2025

ダンサーから表現者へ

ダンサーのスキルから見出す新しい表現について、さまざまなジャンルのアーティスト、研究者、専門家と交流しながら吸収するステップアップのためのワークショップ。

さまざまな文化交流から近年のダンス界の展開を捉え、自身が持つダンスメソッドを深めるとともに、各々が関心を寄せる知見を共有することで視点の転換を促し、表現者としての拡張を図ります。

第一回目は、舞台照明デザインの見識よりパフォーマンス空間の想像を高めながら、ダンス表現についてさまざまな気づきを見出していきます。

講師は、横浜赤レンガ倉庫1号館振付家の小㞍健太に加え、国際的に活躍するダンサー・振付家で、カウンターテクニックメソッドの公認講師の湯浅永麻、ダミアン・ジャレなど世界的な振付家の照明を手がける照明デザイナーの吉本有輝子(武蔵野美術大学空間演出デザイン学科客員教授)。ゲスト講師に、ダンサー・振付家、そして大学講師として活動する児玉北斗(芸術文化観光専門職大学専任講師)と、日本泳法の指導やフィギュアスケート日本代表選手のアナリストを務める髙橋隆宜(東京都立大学システムデザイン学部客員准教授)が務めます。講師によるオリジナルクラス(120分:実技、講義、ワークショップ /レクチャー、参加者全員によるディスカッションなど)によるカリキュラムを通して、主体的に表現の発展を探求していく手がかりとなる新たな視点や興味を見つけていきます。

全日程の受講を希望する方は、実習として、アトリエ・プレゼンテーションの参加が可能です。過去に発表した作品(5〜15分程度)または新作の試作(5〜10分程度)を、アトリエの時間を利用して、リハーサル、舞台稽古、照明合わせなどを行い、プレゼンテーションでの上演を実施いたします。必要な方は講師がサポートに入ります。

また、1月24日と25日には、どなたでも参加できる小㞍健太によるオープン・ワークショップ「クリエーションのプロセスを体験する」(バレエ基礎と即興ワーク)を2日間開催いたします。最終日は、観客や地域住民に一般公開し、プレゼンテーションとトークを予定しており、総合芸術としてのダンス作品における創作過程やワークショップの趣旨を伝えていくことで、舞台芸術の魅力を紹介していきたいと考えています。


開催概要

日程:
2025年1月21日(火)〜26日(日)
一般公開日(プレゼンテーション&トーク):1月26日(日)14:00〜16:00
場所:横浜赤レンガ倉庫第1号館3Fホール

講師:
小㞍健太(ダンサー、振付家、横浜赤レンガ倉庫1号館振付家)
吉本有輝子(照明デザイン、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科客員教授)
湯浅永麻(ダンサー、振付家、カウンターテクニックメソッド公認講師)
児玉北斗(ダンサー、振付家、芸術文化観光専門職大学専任講師)
髙橋隆宜(アナリスト、東京都立大学システムデザイン学部客員准教授)

定員:
全日程受講(対象:プロフェッショナル・ダンサー、振付家):3名程度
単発受講(対象:ダンス中級以上):各クラス10名程度
オープン・ワークショップ(対象:10歳以上・ダンスや創作に興味のある方):各クラス10名程度

受講料:
通し受講: ¥35,000(11コマすべてのクラス + アトリエ・プレゼンテーション/講師による個人指導付き)
単発受講: ¥3,000(*5コマ目以降 ¥2,500)*アトリエ・プレゼンテーションは参加できません
オープン・ワークショップ: ¥2,500

カリキュラム:

SandD LAB. 2025


講義

「ダンサーから振付家へ」
① 「振付」と「作品」を作ることの違い:1月21日(火) 16:30-18:30
② バレエから発展したダンス:1月24日(金)14:00-16:00
講師:小㞍健太(ダンサー、振付家、横浜赤レンガ倉庫1号館振付家)
内容:実技(バレエ基礎・即興ワーク)、講義、ディスカッション

「光と身体と空間/照明デザインについて」
① 自身の活動について〜光について:1月21日(火)14:00-16:00
② 身体と空間と光との関係 Ⅰ :1月22日(水)14:00-16:00
③ 身体と空間と光との関係 Ⅱ:1月23日(木)14:00-16:00
④ 照明デザインについて:1月24日(金) 11:00-13:00
講師:吉本有輝子(照明デザイナー、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科客員教授)
内容:講義、ワークショップ、実践、ディスカッション

「ダンスメソッド・カウンターテクニックと活動の根源となるもの」
① カウンターテクニックとの出会い:1月22日(水)16:30-18:30
② カウンターテウニックの論理 Ⅰ :1月23日(木) 16:30-18:30
③ カウンターテウニックの論理 Ⅱ:1月25日(土) 11:00-13:00
講師:湯浅永麻(ダンサー、振付家)
内容:講義、実技(カウンターテクニック)、ディスカッション

「コンテンポラリーダンスのこれまでとこれから、そして今」
1月22日(水) 11:00-13:00
講師:児玉北斗(ダンサー、振付家、芸術文化観光専門職大学専任講師)
内容:講義、ディスカッション(自身の活動について、コンテンポラリーダンスと呼ばれる潮流の経緯、そして今後に向けて想像されるいくつかの道筋等。)*会場(赤レンガ)にてオンライン講義

「アナリストから学ぶダンストレーニング」
1月23日(木)11:00-13:00
講師:髙橋隆宜(スポーツアナリスト、東京都立大学システムデザイン学部客員准教授)
内容:講義、実践、ディスカッション(モーションキャプチャの体験、動作分析をダンスに活用するためのディスカション等)

オープン・ワークショップ
「クリエーションのプロセスを体験する」

1月24日(金)& 1月25日(土) 19:00-20:30
講師:小㞍健太
対象:10歳以上・ダンスや創作に興味のある方
内容:実技:初心者からプロまで受講できる一般向けダンス・ワークショップ<ウォームアップ、バレエ基礎、即興タスクの体験、音に合わせて振付を踊るレパートリー体験>


補足事項

申し込み締切日:1月7日(火) *ただし定員に達し次第締切といたします
・オープン・ワークショップ:定員に達し次第締切
・クラス構成は各クラスによって異なりますが、1コマ2時間で、目安として講義45分、実技・実践・ワークショップ60分、ディスカッション・質疑応答15分としております。
・11月22日(水)の1コマ目の児玉北斗氏による講義はオンラインとなります。
・全てのクラスの単発受講が可能です。ただし通し受講を想定してのカリキュラムとなりますので、ご了承ください。
・アトリエ(創作、照明合わせ、舞台づくり)の参加とプレゼンテーションでの上演は、全日程受講希望者が対象となります。
・アトリエは、講師がアドバイザーとしてサポートに入ります。
・プレゼンテーションの上演作品は、基本的に過去に発表した作品(5〜15分程度)または新作の試作(5〜10分程度)とします。
・作品上演におけるダンサーの起用などについては、申込時にご相談ください。
・お支払いは当日現金でお願いいたします。
・受講を希望したクラスを欠席する場合は、前日20時までに必ず連絡をお願いいたします。無断欠席の場合は、キャンセル料が発生いたしますのでご注意ください。


メッセージ

最近になって、今までしてきたことがふたたび繋がり始めていると感じます。たとえば、私はいわゆる振付の手法「型にはめていくこと」にずっと違和感を感じてきました。もちろんアカデミックなバックグラウンドは身体性の向上には必要不可欠ですが、振付はメソッドを作るものではなく、表現の一部となるべきと感じていて、指示されるべきではないと。さまざまな国や現場で経験をしてきて、演者や空間とともに模索しながら振付や演出をすることが好きなんだとわかってきました。それを叶えるにはダンサーをはじめ、さまざまなアーティストとのコラボレーションが必要でした。そして、自分の持っているものを最大限に生かすために、自身の表現について理解し、外の要素から影響されてどう動くのか、即興的にやっていきながらみんなで同じ方向性とニュアンスを求めていくということがやりたいと徐々にわかってきました。

一つの例に過ぎませんが、私のように悩みながら更なる発展を求めるダンサーたちが日本にもたくさんいると思います。ぜひ、そういうダンサーや振付家、ダンスに興味のあるアーティストと仲間になって、サポートし合うことができればと思い、このワークショップの構想を考えました。ステップアップのためのワークショップを通じて、世代やジャンルを超えた文化交流を築いていけたら幸いです。


講師プロフィール

小㞍健太 / KOJIRI Kenta
ダンサー、振付家。1999年ローザンヌ国際バレエコンクールにてプロ・スカラシップ賞受賞。モナコ公国モンテカルロバレエ団、ネザーランド・ダンス・シアターに在籍し、イリ・キリアンなど世界的な現代振付家の作品に出演。2010年よりフリーランスとなり、『Study for Self/portrait』(原美術館)、『At the Core』(パリ日本文化会館、フランス国立ダンスセンター招聘公演)等の作品制作を軸に、国内外で活動。2017年より「SandD」を始動し、ジャンルや世代を横断した舞台芸術におけるダンサーの身体の在り方を探求している。他、オペラやミュージカルの振付、フィギュアスケート日本代表選手の表現指導、「Vitality.Swiss」プログラムアンバサダー、2024年4月より横浜赤レンガ倉庫1号館 振付家を務める。
kojiri.jp

吉本有輝子 / Mikiko Yoshimoto
照明デザイナー。同志社大学在学中、学生劇団で舞台照明を始める。 京都にて、アトリエ劇研、Theatre E9 Kyotoの運営に携わりつつ、演劇、ダンス、オペラなどの照明デザインを手がける。 照明だけの舞台作品、『なにもない空間』シリーズも制作中。 2005年 平成17年度 京都市芸術文化特別奨励者。 2006年 9月〜2007年8月 文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてフランス、パリ市立劇場で研修。2017年 維新派『アマハラ』にて第36回日本照明家協会賞部舞台部門大賞(文部科学大臣賞)を受賞。最近の参加作品 DUMB TYPE『2020』 坂本龍一+高谷史郎『TIME』、Damien Jalet+名和晃平『PLANT』などを手がける。

湯浅永麻 / YUASA Ema
ダンサー、振付家。ヨーロッパのコンテンポラリーシーンを牽引するネザーランドダンスシアターに11年半在籍、様々な著名振付家の作品、新作に携わり世界中をツアー。退団後は演劇などでも活躍すると同時に振付家として建築家、ファッションデザイナー、メディアアーティスト、音楽家などジャンルを超えたアーティストたちとのコラボレーション作品やインスタレーションを発表。近年はダンスをコミュニケーションツールとして捉え、ダンスの経験のない人も対象にしたプロジェクトを立ち上げ、立場や環境が違うもの同士がダンスを介して関わり合うことをテーマに活動。ダンスの枠組みに捉われない幅広い分野で、海外と日本を横断し活躍している。
www.emayuasa.com

児玉北斗 / KODAMA Hokuto
2001年よりダンサーとして国際的に活動、ヨーテボリオペラ・ダンスカンパニーなどに所属しマッツ・エックらの作品にて主要なパートを務めた。振付家としても『Trace(s)』(2017)、『Pure Core』(2020)、『Wound and Ground (βver.)』(2022)などを発表。現在は芸術文化観光専門職大学(兵庫県豊岡市)の専任講師としてダンスや振付をめぐる研究・実践・教育に取り組んでいる。
www.hokutokodama.com

髙橋隆宜 / TAKAHASHI Takayoshi
アナリスト、日本泳法 小池流第十二代師範。大阪市立大学大学院で博士(学術)を取得後、2008年に日本生理人類学会優秀発表賞を受賞。ウオーキングマップ作成により大阪市東住吉区から感謝状を授与されるなど、地域貢献にも積極的に取り組む。千葉大学環境フィールド科学センターで特任研究員を経て、現在は東京都立大学システムデザイン学研究科の客員准教授として人間工学やバイオメカニクスの分野で研究を行う。歩行動作や高齢者の健康行動、フィギュアスケートなど多岐にわたりアナリストとしても活躍し、学術と実践の両面で高い分析力を発揮している。


申し込みフォーム

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問い合わせ

代表:小㞍健太
kojirikenta.workshop(a)gmail.com
*メールの送信の際はアドレスの(a)を@にしてください


スタッフ

監修・講師:小㞍健太
講師:湯浅永麻、吉本有輝子
ゲスト講師:児玉北斗、髙橋隆宜

主催・企画制作:SandD
共催:横浜赤レンガ倉庫1号館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
助成:全国税理士共栄会文化財団
協力:佐藤美紀